ベートーヴェン症候群

音楽を自伝として聴く

われわれは何に耳を傾けているのか。主観と客観──表現と聴取のパラダイムがせめぎあう歴史を俯瞰する刺激的な考証!

著者 マーク・エヴァン・ボンズ
堀 朋平
西田 紘子
ジャンル 音楽書 > 音楽史・音楽学
出版年月日 2022/04/15
ISBN 9784393932223
Cコード 0073
判型・ページ数 4-6・424ページ
定価 3,850円(本体3,500円+税)
在庫 在庫あり
なぜわれわれは芸術表現に 作り手の人生を読み取ろうとするのか。
あらゆる音楽の「聴き方」に深く浸透している「症候群(シンドローム)」の正体をときあかす。

ベートーヴェンの交響曲に彼の「人生の苦悩」を、モーツァルトのソナタに「母を喪った悲しみ」を――病的なまでに音楽に作曲家の自己のほとばしりを聴こうとする「ベートーヴェン症候群」。文学・哲学・美学の文献と当時の音楽批評をくまなく渉猟した著者が、19世紀にパラダイムとなり、その後200年にわたってベートーヴェンとともに醸成されてきた音楽聴取のありかたを丁寧に炙り出す。

○原著 Mark Evan Bonds "The Beethoven Syndrome: Hearing Music As Autobiography"

●本書は電子版もございます。
序  器楽による自己

第I部  客観的表現のパラダイム――1770~1830年
第一章  修辞学の枠組み
 表現は説得手段/作曲家は役者/ミメーシス
第二章  主観的表現の受容へ
 芸術は自己を覗く窓/情念という特権/抒情詩
第三章  作品のうちに作曲家を聴く
 ファンタジー/フモールとイロニー/客観性の時代におけるベートーヴェンの主観性

第Ⅱ部  主観的表現のパラダイム 1830~1920年
第四章  解釈学の枠組み
 誠実さを聴く/予言を聴く
第五章  一人称のベートーヴェン
 修辞学から解釈学へ/ハイリゲンシュタットの遺書/伝記
第六章  アフター・ベートーヴェン
 書かれた人生/耳で聴く人生/形式 vs. 内容/のちの作曲家/主観性は過去へも影響する/二つのカテゴリー

第Ⅲ部  共存する二つのパラダイム――1920年以降
第七章  客観性の回帰
 作曲家はカメレオン/作曲家は霊媒師/作曲家は技術者(エンジニア)
第八章  今もつづく主観性

結び  彗星を追って

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