1人称単数の哲学
ソクラテスのように考える
倫理を問うとき、「最大多数の最大幸福」とか「共通善」など、社会や共同体を前提とした考えかたをしがちである。しかし徳倫理学の祖ともいえるソクラテスの説く「徳」は、実は具体的な諸場面において、そのときその人個々人の主体性を問うものであったがゆえに、客観的真理にはなりえないものであった。言語がなぜ一人称・二人称・三人称といった人称を持つのか、西洋の言語はなぜ人称や格によって動詞が変化するのかといった基礎的な分析から、言語に表出する理性の働きを抽出して、言語が生みだす欺瞞を暴き、三人称の「真理」と対照させつつ、これまで忘却されがちであった「いま・ここ・わたし」の判断と選択としての倫理を浮かびあがらせていく尖鋭な試み。
まえがき
第1章 理性の中の「個人」と「宇宙」と「社会」
1 心は、感覚と、「ことば」で動く
2 「ことば」が「理性」である
3 「ことば」に騙される
4 主語の人称により相違する言語
5 3人称の世界
6 「数える」ことと「説明する」こと
7 1人称2人称単数の世界と、1人称複数の世界
8 一対一の問答の道
9 共同的真理の欺瞞的説得
10 「道具」認識の尺度
11 1人称と2人称単数の世界の真理は主体の真理
12 主体の真理の探究
第2章 ことばの社会性と欺瞞性
1 ソクラテスのように考える
2 哲学と科学の識別課題
3 「知覚」の発見
4 知覚の原理性
5 1人称単数の知覚から3人称の普遍認識の構成
6 「わたしの真理」と「わたしたちの真理」
7 「わたしたちの真理」の真理性と「わたしの知覚」
第3章 「わたしの世界」を見つける
1 「わたしの世界」の独立性
2 「わたしの世界」の孤独
3 「わたしの世界」の確実性
4 「わたしの世界」の見つけ方
5 「わたし」の世界の視点
6 科学世界の変革を起こす私的性格
7 他者の「ことば」(ロゴス)
8 「わたし」の「無」
9 「わたし」による世界の知覚
10 懐疑と「わたし」の自覚
11 哲学と科学の根拠となる「わたしの知覚」
12 「自由意志」と呼ばれる欲求
第4章 ソクラテスの「わたしたちの世界」
1 「ソクラテスのように」考える
2 ソクラテスが起訴された原因
3 直接知覚にもとづく教育
4 身近なものの善
5 神の存在
6 ソクラテスと神
7 正しい者であるために
8 純粋理性がもつ永遠的真理
9 死を知らずに生きる理性
10 殺すことと殺されること
11 証明を補完する実体験
12 自分の命に神との一致を見る
あとがき
第1章 理性の中の「個人」と「宇宙」と「社会」
1 心は、感覚と、「ことば」で動く
2 「ことば」が「理性」である
3 「ことば」に騙される
4 主語の人称により相違する言語
5 3人称の世界
6 「数える」ことと「説明する」こと
7 1人称2人称単数の世界と、1人称複数の世界
8 一対一の問答の道
9 共同的真理の欺瞞的説得
10 「道具」認識の尺度
11 1人称と2人称単数の世界の真理は主体の真理
12 主体の真理の探究
第2章 ことばの社会性と欺瞞性
1 ソクラテスのように考える
2 哲学と科学の識別課題
3 「知覚」の発見
4 知覚の原理性
5 1人称単数の知覚から3人称の普遍認識の構成
6 「わたしの真理」と「わたしたちの真理」
7 「わたしたちの真理」の真理性と「わたしの知覚」
第3章 「わたしの世界」を見つける
1 「わたしの世界」の独立性
2 「わたしの世界」の孤独
3 「わたしの世界」の確実性
4 「わたしの世界」の見つけ方
5 「わたし」の世界の視点
6 科学世界の変革を起こす私的性格
7 他者の「ことば」(ロゴス)
8 「わたし」の「無」
9 「わたし」による世界の知覚
10 懐疑と「わたし」の自覚
11 哲学と科学の根拠となる「わたしの知覚」
12 「自由意志」と呼ばれる欲求
第4章 ソクラテスの「わたしたちの世界」
1 「ソクラテスのように」考える
2 ソクラテスが起訴された原因
3 直接知覚にもとづく教育
4 身近なものの善
5 神の存在
6 ソクラテスと神
7 正しい者であるために
8 純粋理性がもつ永遠的真理
9 死を知らずに生きる理性
10 殺すことと殺されること
11 証明を補完する実体験
12 自分の命に神との一致を見る
あとがき