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2021.04.05
聖徳太子
実像と伝説の間
東アジア仏教史、日本古代史、美術史、考古学等の最新成果を駆使し、聖徳太子の実像とその伝説化の過程を明らかにした画期的論考。聖徳太子虚構説では、〈聖徳太子〉は架空の存在にすぎず、実在したモデルは一王族でしかない「厩戸王」だったとするが、「厩戸王」という名は、実は戦後になって推定で作られたものであり、太子周辺の人々は太子を「仏に準ずる存在」とみなしていた。厩戸誕生伝説、「憲法十七条」、「日出処天子」国書、天寿国繍帳、三経義疏などに対する従来の見方は、本書によって一変するだろう。