仏教図像学
インドに仏教美術の起源を探る
近年、仏像の人気もあってか、彫刻や絵画の神々や人物の姿に込められた象徴的意味を読みとる「図像学」が、注目を集めるようになっている。しかし、今まで日本で著された仏教図像の概説書は、仏像がどのように表現されているのかを解説していても、いつ頃、どの地方で、どのようにして、そのような図像が成立したのかについては、ほとんど説明を加えてこなかった。
本書は、1500年の歴史をもつ日本仏教美術の伝統を踏まえつつ、最近、新たな発掘・調査によって急速に知見が拡大しつつあるインドに目を向け、仏教図像の象徴体系を仏教の故国インドに遡って考察するとともに、インドの仏教美術を継承したネパール・チベット・東南アジア、日本の仏教美術の源流であるシルクロード地域・中国・朝鮮半島の作品も視野に入れ、アジア全域にわたる文化交流の歴史を明らかにする。
本書は、1500年の歴史をもつ日本仏教美術の伝統を踏まえつつ、最近、新たな発掘・調査によって急速に知見が拡大しつつあるインドに目を向け、仏教図像の象徴体系を仏教の故国インドに遡って考察するとともに、インドの仏教美術を継承したネパール・チベット・東南アジア、日本の仏教美術の源流であるシルクロード地域・中国・朝鮮半島の作品も視野に入れ、アジア全域にわたる文化交流の歴史を明らかにする。