ツバル
地球温暖化に沈む国
地球温暖化がもたらす海面上昇によって水没の危機に直面している南太平洋の小さな島国ツバル。2004年に刊行された本書の前身『ツバル』がその実情を詳細に報告し警告を発して以来、ようやく温暖化やツバルの危機が多くの人々に知られるようになってきた。では、ツバルの「今」はどうなっているのか。そして、全世界は気候変動にどう対処しようというのか。その後のツバルを訪れ、悪化するばかりの現状と破壊される生活基盤、遅々として進まぬ対策に怒りと焦りと諦めが交錯するツバルの人々の複雑な思いや海外への移住状況を報告、さらに、地球温暖化に関する政府間パネルが発表した第四次報告と各国のとり組みを分析し、温暖化阻止へのわずかな希望と、対策を阻む大国のエゴ、先進国に対する途上国の怒り、複雑怪奇な国際情勢の詳細なレポートなどを付加した「濃い」増補版。