宇宙ダンス
新しい身体をつくる
情報化と高齢化、さらには仮想現実化の進む現代社会には、今まで私たちが体験したことのないような諸問題が続出している。それらの問題の対処には、既存の方法はあまり役に立たないようである。そこで、新しい身体論・テクノロジー論・人間観・宇宙観にもとづく「新しい知」が必要になる。本書では、そうした問題を検討しつつ、その「新しい知」の形成のために新開発された「チュービング」という道具が、どのように役立つかを説く。「チュービング」とは、弾力性のある布をトンネル状にしたもので、ヨコ10メートル、タテ1.5メートルの大きさをもち、床から1メートルの高さに6本のロープで宙吊りにして使う。人が中に入ると、フワフワして宇宙遊泳の疑似感覚のようなものが体験でき、今まで眠っていた身体知が自然に眼を醒ますという、画期的な装置である。