黄檗宗資料集成 第一巻
黄檗宗の開祖・隠元禅師の渡来は江戸時代の仏教界に大きな影響を与えた。当時の状況を記した多くの資料の中から七篇を選び刊行。まず第一巻は「興禅寺改派之記」と「永慶寺建立次第」、第二巻は黄檗派に批判的な書である「禅林執弊集」「黄檗外記」「知耻篇」、第三巻は当時の黄檗派の状況を知ることができる「通航一覧」と、曹洞宗の面山が書いた「僧堂清規考訂別錄」である。
第一巻所収の「興禅寺改派之記」の興禅寺は、龍峯寺という臨済宗妙心寺派の寺院が黄檗宗に転派したもの。その転派をめぐる両派の経緯やの確執がそこには詳しく記されていて、興味深い。一方、「永慶寺建立次第」の永慶寺は、甲府藩主となった柳沢吉保が甲府近郊に自らの菩提寺として建立したもの。落成式には黄檗山第七代の悦峯を招いたが、自身は出席しなかったという。後年、柳沢藩は奈良の郡山に転封になり、永慶寺も同時に郡山に移転した。その経過を詳細に記したもので、当時の藩主と菩提寺の関係を知る一資料としても貴重。
第一巻所収の「興禅寺改派之記」の興禅寺は、龍峯寺という臨済宗妙心寺派の寺院が黄檗宗に転派したもの。その転派をめぐる両派の経緯やの確執がそこには詳しく記されていて、興味深い。一方、「永慶寺建立次第」の永慶寺は、甲府藩主となった柳沢吉保が甲府近郊に自らの菩提寺として建立したもの。落成式には黄檗山第七代の悦峯を招いたが、自身は出席しなかったという。後年、柳沢藩は奈良の郡山に転封になり、永慶寺も同時に郡山に移転した。その経過を詳細に記したもので、当時の藩主と菩提寺の関係を知る一資料としても貴重。