こころに響く音の謎。日本人の脳と身体に眠る驚きの秘密とは。

倍音

いま「感じているのに聞こえていない」音、倍音。

とても身近にあるのに、いまだその存在が知られず、またほとんど利用されていないもの。あらゆる音の「音色」を作り、深層心理・脳・身体に強い影響を与え、感情や思いを伝えるもの。私たちの聴覚の世界を源から創造しているもの。それが倍音です。

その不思議で豊かな世界を、いまから少しだけご紹介したいと思います。

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倍音 音・ことば・身体の文化誌

四六判上製カバー装 272頁

定価:1,890円

発行日:2010年10月

ISBN:978-4-393-95704-2

倍音 音・ことば・身体の文化誌

中村明一 著

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音の「魔力」に迫る!

Capter 1:現代に残された謎

人間はこれまでの歴史において、「目に見えないもの」を克服することによって前進してきました。古代では「空気」や「生命」、近代では「引力」「電気」「細菌」などの発見、ならびにメカニズムの解明により、文化・文明を発展させてきたのです。現代においては分子生物学により「遺伝子」の秘密が解明されつつあり、また世界中は情報ネットワークによってつながっている。もはや未開の荒野は見渡してみても見つからないように思えます。けれど、本当に大事なものは「目に見えないもの」。そうです。音、つまりは聴覚の世界に謎が残されているのです。

Capter 2:音とは何か

シタール
三味線

シタール(上)と三味線(下)。いずれも倍音が出るように工夫がなされている。

ごく簡単に言って、音とは「空気などの圧力の変化が人間の耳などに伝わったとき、それが音として知覚された」ものです。圧力の変化は振動(波動)で、1秒間に何回振動したかによって「ヘルツ」という単位で表されます。大事なのは、「音」と言った時、たいてい「ひとつの音」があるとイメージしてしまいますが、ドならドでもそれが音として響く時は複数の音から成り立っているということ。この複数の音がどのように含まれているかによって音色がつくられ、その音色をつくっているのが「倍音」なのです。[詳しくは本書第2章へ]

Capter 3:鈴虫の「声」が外国人には「雑音」に聞こえる理由

人間の脳は、一般的に左脳が言語を司り、右脳が空間・音楽の認識などを行う、と言われてきました。ところが研究により、日本人と外国人では、音の種類により、反応する脳の部位が異なることがわかったのです(角田忠信[医学博士]氏らによる)。まず、西欧人は言語を聞いたときは左脳で反応する。一方、西洋楽器の音、泣き声、自然音、雑音はすべて右脳で反応しています。対して日本人は、西洋楽器の音、機械音、雑音が右脳で、それ以外はすべて左脳で反応している。一体これほどまでの違いはどこからでてくるのでしょうか。
[詳しくは本書第2章へ]

Capter 4:こころに残る歌声を響かせる秘密とは

B’Zの稲葉浩志、郷ひろみ、浜崎あゆみ、氷川きよし、倖田來未、彼らには共通点があります。また、森進一、八代亜紀、桑田佳祐、宇多田ヒカル、CHAGE and ASKAのASKA、彼らにも共通点があります。彼らはそれぞれ、ある種の倍音が強く響く歌声を持っているのです。さらに、そうした倍音をコントロールして歴史に残る歌声を響かせたのが、美空ひばりと都はるみだったのです。オリコン年間ランキングにおける驚愕の真実も明らかに。[詳しくは本書第3章へ]

Capter 5:政治家・芸人が成功するには

かつてそのカリスマ性で絶大な支持を得ていた二人の政治家がいました。一人は田中角栄元首相。もう一人は小泉純一郎元首相。彼らの人気の裏側にも倍音の力が潜んでいました。またタモリ、明石家さんま、ビートたけし、彼ら大物芸能人が長く活躍できているのにも倍音が影響しています。ダウンタウン、ウッチャンナンチャン、爆笑問題というコンビにおいても、私たち聴衆は彼らの倍音の掛け合いを潜在的に聞いて笑っていると言ったら驚かれるでしょうか。
[詳しくは本書第3章へ]

Capter 6:倍音は癒しの効果を持っている

私たちは通常、音は耳で聴くもの、と思っていますが、もともと音とは「圧力の変化」から生じており、それが振動になったものです。振動ですのでそれは耳だけではなく皮膚にも伝わります。つまり、皮膚でも「聴いている」のです。大橋力氏(国際科学振興財団首席研究員、文明科学研究所所長)の研究によると人間の耳では聞こえない音・高周波(高次の倍音)は皮膚から脳に伝達されます。そして脳を活性化させる。そうした高周波を聴いているとストレスや不愉快な気分がなくなり、リラックスし、免疫力が高まり病気になりにくくなります。ちなみにCDでは高周波がカットされてしまうので効果はでにくくなります。ですから、生の音に触れることが大切なのです。[詳しくは本書第2章へ]

Capter 7:他にも音の不思議を解明するエピソードが満載

一節切、一尺八寸管、三尺一寸管

上から一節切、二・三番目は尺八で、それぞれ一尺八寸管、三尺一寸管(いずれも著者蔵)

なぜ日本人はスイカを叩いて味を見分けるのか、日本の畳・襖の空間では音はどのように響くのか、日本人の呼吸法の秘密、マンガの吹き出しと音の世界、江戸時代に爆発的に広まった尺八の謎、「絶対音感」と倍音の関係、などなどいままで知らなかった音の世界がどんどん明らかになります。詳しくは本書でお楽しみください。

作曲家・尺八演奏家 中村明一(なかむら・あきかず)

略歴

 作曲家。尺八演奏家。
 横浜国立大学工学部応用化学科卒(量子化学専攻)。
 横山勝也師、多数の虚無僧尺八家に師事。米国バークリー音楽大学にて作曲とジャズ理論を学び、最優等賞で卒業。米国ニューイングランド音楽院大学院修士課程作曲家およびサード・ストリーム科で奨学生として学ぶ。
 虚無僧に伝わる尺八音楽の採集・分析・演奏をライフワークとしつつ、ロック、ジャズ、クラシック、現代音楽、等に幅広く活躍。外務省・国際交流基金の派遣などにより、クイーンエリザベスホール(ロンドン)、リンカーンセンター(ニューヨーク)、ブルーノート(ニューヨーク)、ケネディセンター(ワシントンDC)、ベルリン・フィルハーモニーホール、ポーランド国立歌劇場など、世界30ヶ国余で公演。世界40局余の放送局に出演。150都市以上で公演。
 自ら捜しあて極めた日本古来の呼吸法「密息」と、独自に開発した方法による循環呼吸(吹きながら同時に息を吸い、息継ぎなしに吹き続ける技術)を自在に操る。
 作曲家としても活躍し、NHK、ドイツ国営放送、フランスのラヴェル弦楽四重奏団、フィンランドのジャン・シベリウス弦楽四重奏団、ドイツのムンク・トリオ、フランスのサン・フロラン・ル・ヴィエイユ・フェスティバル、カナダのマーギー・ギリス・ダンス・カンパニー、米国のミュージック・フロム・ジャパンなど、各方面より委嘱を受け、その作品は、管弦楽曲、合唱曲、弦楽四重奏曲、ピアノトリオ、ビッグバンドなど、多種多様。
 文部科学省の中学校学習指導要領解説音楽編作成に携わる。
 文化庁芸術祭レコード部門優秀賞(2回)。文化庁舞台芸術創作奨励賞。
コロムビア・ゴールデン・ディスク賞。松尾芸能賞。
 洗足学園音楽大学大学院講師。桐朋学園芸術短期大学講師。日本現代音楽協会会員。

オフィス・サウンド・ポット
 URL:http://www.kokoo.com

講演情報

12月4日(土)

特別公開講座「倍音の魔力」

場所:

東京・朝日カルチャーセンター新宿教室
新宿住友ビル4F

時間:

14:00~17:00

TEL:

03‐3344‐1947
東京・朝日カルチャーセンター新宿教室
講座詳細ページ

12月20日(月)

特別公開講座「倍音の魔力」

場所:

大阪・朝日カルチャーセンター梅田教室
新サンケイビル5階

時間:

18:30~21:00

TEL:

06‐6348‐1450
大阪・朝日カルチャーセンター梅田教室
講座詳細ページ

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発行日:2010年10月

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